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コラム

院長コラム

本当は怖い狂犬病


4月の声を聞くと、我々獣医師の周囲が急に慌ただしくなってきます。狂犬病予防注射の季節なのです。犬の飼い主の義務として声高々と宣言されるこの予防注射。しかし、中には冷ややかな目で傍観される方もいるのではないでしょうか。狂犬病は、実は日本では多くの楽観的な誤解を受けているのです。

誤解「其の壱」
「狂犬病って犬の病気でしょう・・・」。狂犬病は、その名から犬だけの病気と考えられがちですが、人を含めた全てのほ乳動物に感染します。一度発症すると人も犬も100%死亡する恐ろしい病気です。

誤解「其の弐」
「今はもうない昔の病気でしょう・・・」。確かに日本では50年ほど発生していません。しかし、全世界では毎年5万人以上もの人が亡くなっているのです。周辺国を見回してみても、ロシアや中国、韓国、そしておそらく北朝鮮でも狂犬病は発生しています。特に中国では、狂犬病の発生が急増していて、2003年度は9月までに1,297人が死亡し、前年よりも63%増加しています。この数字は、近年話題に上ったSARSやAIDSによる死亡数を大きく上回り、中国の衛生局でも、狂犬病は中国で最も死亡率の高い感染症であると報告しています。

誤解「其の参」
「でも、日本は島国だから安心ですね・・・」。日本は島国で、陸路での野生動物の進入がないので、半世紀近くも発症例がなかったのだとも考えられます。しかしここ数年、国内ではおきないと考えられていた「口蹄疫」や「BSE」の発生、SARSに感染した人が出入国していた問題など、これまで想定されていなかったルートで、感染症が国内に進入する可能性を示唆する事件が多く報道されています。

参考にすべき例としては、狂犬病の発生が一度もなかったインドネシアのフローレス島で、1997年に漁師が持ち帰った犬3頭を発端とした大流行が挙げられます。当初50万頭もの犬(犬総数の63%)を淘汰したのですが効果がなく、3年後までの間に81人が狂犬病で亡くなり、現在も狂犬病の危機にさらされています。日本においても、狂犬病発生地域の船から逃亡した犬が多数目撃されており、いつ狂犬病発生の一報があってもおかしくない状況ともいわれています。山梨県は内陸県ですので、このようなルートでの狂犬病発生第一号となる確立は極めて低いのですが、国内で発生が報じられたら、かつてないパニックが予想されます。

未接種の犬は恐怖の対象となり、その飼い主は備蓄されていない狂犬病ワクチンを求めて右往左往するでしょう。時に室内犬に舐められただけでも大変なトラブルになるかもしれません。犬への狂犬病予防注射の接種目的は、犬自身やその周囲の人間を狂犬病から守ることにあるのは当然のことですが、それよりも恐ろしいのは、発生時の人々の恐怖から起きるかもしれない様々な事件です。愛犬を守る意味でも、もう一度狂犬病予防接種の意義を考えても良いのではと思います。

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